3月21日(水・祝)に幕張メッセにて開催された『ストリートファイターV アーケードエディション』を競技タイトルとしたeスポーツ大会『RAGE ストリートファイターV 白虎杯』。
白虎杯は、四聖獣をモチーフにシリーズ化されている1DAY大会。玄武杯・朱雀杯に続くシリーズ3つ目の大会です。賞金総額は国内大会でも最高額となる400万円。優勝者には賞金200万円と白虎杯覇者専用スペシャルコスチュームが授与され、全国から集まった128名が、頂点を目指して熱い戦いが繰り広げました。
本記事にて、その模様をレポートします。
プロ・アマ入り混じった大会
本大会はプロ・アマ問わず参加できるということで、普段は海外で活躍しているプロ選手と国内有名プレイヤーが入り混じって戦うという、なかなか見られない大会となりました。
中には外国人選手も見受けられ、大会選手層の厚さを感じさせます。
12:20の試合開始に合わせて、放送もスタート。実況・解説は、左から大和さん、以前の白虎杯でベスト4になったなないさん、ハメコ。さんの3名で行われました。
予選は8ブロック・各16名にわかれて、ダブル・エリミネーション方式によるトーナメント戦にて行われました。試合開始に合わせて、観客の方々も続々と集まってきます。
予選トーナメント第1回戦目から朱雀杯覇者のSZY|Mizuha選手が登場。完璧なコンボを決めてストレートで勝利し、今大会のレベルの高さを示しました。
試合が進行するにつれ、観客のボルテージも上がっていきます。予選とはいえ、観客の方々からは、熱のこもった視線が注がれます。
決勝トーナメント開始。1回戦でTokido選手と板橋ザンギエフ選手が激突
予選が終わり、いよいよ決勝トーナメントに。決勝トーナメントは、各ブロックのトップ選手8名によるダブル・エリミネーション方式のトーナメントにて行われます。
中でも、注目の1戦となったのが、第1回戦第4試合。EVO2017王者のTokido選手とDNG 板橋ザンギエフ選手の対決。決勝トーナメント1回戦目でのビックネーム同士の激突に、会場からも熱い声援が送られました。
勝敗は、予選から圧倒的な強さをみせていたときど選手が鮮やかなコンボを繰り出し、ストレートで勝利。そのままWinnersトーナメントを順調に勝ち上がり、準決勝進出を獲得しました。
決勝戦は最後まで見逃せない名勝負に
決勝トーナメントもいよいよ終盤。ベスト4以降は、試合会場を移動して、ステージ上での戦いとなります。ベスト4に勝ち残ったのは、Tokido選手、ふ〜ど選手、まちゃぼー選手、マゴ選手の4名。
まずは、Winnersトーナメント最終戦で、Tokido選手とまちゃぼー選手が激突。予選から安定した強さを見せていたTokido選手が、まちゃぼー選手をストレートで下し勝利。ファイナル進出を決めました。
劇的だったのはここからでした。Losersトーナメントへ移動したまちゃぼー選手は、ふ〜ど選手マゴ選手に、気迫のプレイでそれぞれ勝利。決勝戦で再度Tokido選手と激突することとなり、リベンジのチャンスを掴みます。
決勝戦では、Winnersトーナメントを制したTokido選手に2勝のアドバンテージが与えられます。その為、まちゃぼー選手が勝利するには4勝しなくてはなりません。
準決勝でのストレート勝ちの記憶も新しく、Tokido選手が圧倒的に有利と思われました。しかし、最後まで格ゲーは何が起こるかわかりません。準決勝から大きく動きを変えたまちゃぼー選手が、Tokido選手を翻弄し第1セット・第2セットを連取。アドバンテージをリセットします。
ですが、Tokido選手も徐々にまちゃぼー選手の動きに対応し始めます。第三セットを取り返し、Tokido選手が一歩優勢に立ちます。
そして迎えた第4セット。先に1勝を取ったTokido選手は、優勝にリーチをかけます。しかし、2戦目終盤。勝負を決めるためK.O.を取りにいったTokido選手でしたが、ドットで残ったまちゃぼー選手が、一瞬の隙を突いてカウンターで勝利。手に汗握る接戦に、会場のボルテージは最高潮に。
しかし、まちゃぼー選手の反撃もここまで。続く第4セット最終戦は、まちゃぼー選手のミスを見逃さず、Tokido選手が華麗なコンボをきめます。そのまま一気に削りとり、ときど選手が優勝を勝ち取りました。
白虎杯覇者・Tokido選手インタビュー
――優勝おめでとうございます。決勝戦ではまちゃぼー選手に2セットを先取され、リセットに持ち込まれてしまいましたが。
Tokido:やばいなぁとは思っていましたが、いつも通りにできればいいだろうなと。
――そうなのですね。ときど選手は対応力が素晴らしいと思っていまして、決勝でも(まちゃぼー選手が)以前の対戦を踏まえて動き方を変えて来られたと思うのですが。
Tokido:分かりやすいのは、ジャンプが多くなっていましたよね。あの組み合わせ(ときど選手は豪鬼、まちゃぼー選手はネカリを使用)を順当にやっていたら豪鬼の方が足も速くて有利なので、どこかで博打を仕掛けないといけないんですよ。
――なるほど。
Tokido:なかなかうまいところで(博打を)仕掛けてきたなと思いました。
――2セット取られた後、動きの修正をされていましたよね。
Tokido:しました。やっぱり飛びですよね。地上をしっかりやっていれば飛んでくるだろうから、そこに対して対空でしっかり対応してから、起きあがりを攻めるということができたので。まあ、荒かったですけどね。
――優勝を確信した瞬間は、対戦中にありましたか?
Tokido:最後まで分からなかったですね。格闘ゲームはどこからでも負けてしまうので、とにかく最後まで気を抜いちゃいけないんです。それだけは気を引き締めないといけなくて。僕は勝てると思ってしまって、2000万円を失っている大会があるんですよ。
――賞金といえば、今回の「RAGE」は国内では数少ない賞金制大会でしたよね。
Tokido:(賞金は)あった方が嬉しいですけど、本当のことを言うと、名前がちゃんとあればいいと思うんですよ。「EVO Japan」は「EVO」のブランドがあるので、賞金がなくてもみんな出場するじゃないですか。「RAGE」も最初はグッズが全然売れてなかったんですよ。でも今回はこれだけ続けているから…
――(観客が)入りましたよね。
Tokido:続けていくことでブランド価値が出てきて、そこで勝つことで注目もされる。下世話な話をすると、それが賞金よりも金銭的な価値につながるので。そういう大会が増えるといいですよね。
――ブランドのある大会ですね。
Tokido:あの大会で勝ったら観客やスポンサーに注目されるから、気合を入れて出るぞという。「RAGE」はそうなりつつあるので。
――年々パワーアップしています。
Tokido:そうですよね。続けていくしかないと思うんです。1発大きなことをやっても、うまくいかないですから。
――ちなみに、本大会の賞金(200万円)の使い道は、決まっているでしょうか?
Tokido:若手に「EVO」の渡航費を出してやるって言ったことがあるので、それですね。ただちょっと(金額が)多すぎるので、よければもう2、3人居てくださいっていう感じですけれど。
――プロ格闘ゲーマーの後進育成にも力を入れていくのでしょうか?
Tokido:僕は一切その気はないですね。それをやっちゃうと満足して、ゲームをやらなくなっちゃう人間なので。可能な限りはプレイヤーで、一度でいいから頂点を目指したいですよね。NO1のプレイヤーになりたいです。もっと強くならないと届かないと思っているので、期待して見ていてください。
――ありがとうございました!
ますますの盛り上がりと規模拡大をしていく『RAGE』に、ぜひご注目ください。
■「RAGE 2018 Spring」概要
開催:2018年3月21日(水・祝)
入場:無料
場所:幕張メッセ 6ホール
開場9:00、開演:10:00、終演:20:00
■「RAGE ストリートファイターV 白虎杯」概要
対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターV アーケードエディション』を競技タイトルとしたeスポーツ大会です。
エントリー期間:2018年3月2日(金)18:00?2018年3月12日(月)23:59
募集人数:最大128名
参加費:無料
参加資格:大会に出場する時点で満12歳以上であること。詳細は下記、大会規約をご確認ください。
開催日程:2018年3月21日(水・祝) 大会受付 10:00~11:00(予定) 試合時間 12:20~19:30(予定)
会場:幕張メッセ RAGE 2018 Spring 会場内(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目1)
※エントリー期間は予告なく変更される場合があります。
※タイムスケジュールは後日発表いたします。
※20歳未満の方は保護者参加同意書および銀行口座(参加選手名義)確認シートの提出が必要となります。(対象の方に後日送付)
※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。
イベント詳細:https://rage-esports.jp/2018spring/
■記事協力:GAMY(https://gamy.jp/)