最強チーム決定戦

解説の”海老原悠さん”執筆レポート【「暗黒のウェルサ」プレーオフ進出デッキ紹介_オンライン予選大会 プレーオフ】RAGE Shadowverse 2021 Summer

初めまして。Shadowverseの公式大会やプロリーグで解説をしている、株式会社ODYSSEY所属、海老原悠です。
RAGE Shadowverse 2021 Summerのオンライン予選大会で、2次予選を勝ち抜きプレーオフ進出を決めた選手達のデッキを紹介していきます。

プレーオフ環境予想

RAGE Shadowverse 2021 Summerの予選大会では、メタの中心は《進化ヴァンパイア》でした。
今回の予選突破したデッキの数としても一番多く、また各デッキ『壊天災・ハレゼナ』を処理できるカードの採用やデッキ単位で優位に立てる構成を狙う意図も多く見受けられました。
ですが、予選大会からは少し時間が空いてしまい大型大会の結果も影響してくると思うので、メタの中心は少しずれてくると予想しています。
今の状況は《進化ヴァンパイア》に対して強く出れるデッキが少しずつ数を増やしているので、その影響で《進化ヴァンパイア》が減少した場合《進化ヴァンパイア》が天敵だったデッキが増えてくると考えています。

新デッキの把握

前期から活躍を続けているデッキもありますが、今期もデッキの種類が多く把握するだけでも一苦労だと思います。観戦しているときも「どんなデッキなんだろう?」と分からないことはありませんか?
この記事では、数多くの猛者たちが数日間に渡ってしのぎを削りあい、厳しい予選大会を見事に勝ち抜いた研ぎ澄まされしデッキリストをいくつかピックアップして紹介します。
新しいデッキタイプの前情報を入れたうえで観戦することで、より一層楽しく試合を観戦できるようになれば幸いです。

デッキ紹介

セッカエルフ

※Rumoi選手のデッキリスト

キーカード

『瘴気の妖精姫・アリア』
一度進化を切れば『フェアリー』と『フェアリーウィスプ』はバーンダメージと盤面除去を兼ね備えた攻守どちらも可能なカードへとパワーアップする。
このフォロワーに進化を切れているかどうかで大きく勝率が変わるので、手札交換の際は最優先で確保したい一枚である。

勝ち方

①「場を離れたエルフフォロワーの数」を20体以上達成させて、『宿命の狐火・セッカ』から加わる『九尾の決意』で疾走にすることでバーストダメージを叩き出す。
②『閃光のエルフ・アルバータ』と『優美な猫姉妹・シャム&シャマ』を複数枚絡めた疾走で削りきる。

①のリーサルターンは早くて7ターン目遅くても9ターン目には完成している。
『宿命の狐火・セッカ』と『九尾の決意』2PPの動きから5点(進化を使えれば+2点)と破格のバーストダメージをバウンスカードと絡めて狙っていく。
②の勝ち方は対面のデッキのリーサルターンがこちらよりも早かったりしたときに使っていくものである。
打点もシビアなものになっているので、回復の多い対面には注意しよう。

デッキの回し方

序盤は、複数採用されているフェアリー生成フォロワー『妖精の弓使い』等をプレイしていこう。
手に入れた『フェアリー』は『ワンダツリー』に融合してドローを加速させる。
こうすることでキーカードである『瘴気の妖精姫・アリア』を早めに引き込みたい。
さらに、『閃光のエルフ・アルバータ』をリーダーに仕込んでおけば、打点の向上と「場を離れたエルフフォロワー」の数を格段に進めることができるので、隙あらばリーダーに隠しておこう。
中盤は、『瘴気の妖精姫・アリア』に進化を切ってゲームメイクしていこう。
『瘴気の妖精姫・アリア』がなかった場合は長期戦が見込めないので勝ち方②のプランで削りきる。もしくは相手の動き次第にはなるが、進化を温存しながらドローを進めて引き込みにいきたい。
終盤は、『宿命の狐火・セッカ』によるリーサルを狙っていこう。
『九尾の決意』は「場を離れたエルフフォロワー」の数が10体以上で回収できるトークンカードなので、事前にバウンスカードを絡めて準備をしておくとリーサルも取りやすくなる。

マナリアウィッチ

※だるま選手のデッキリスト

キーカード

『レグニスロード・グレア』.『マナリアクイーン・アン』
ファンファーレ効果で加える『イクシードブラスト』や『フェイタルバーン』でバーストダメージを出すデッキのフィニッシャーであり、デッキテーマになっている「デッキが◯◯枚以下」で発動する効果の条件にもファンファーレと進化時効果でデッキを消滅させていくデッキを回すエンジンのような役割も担っている。
なのでゲーム中最低でもどちらか2枚~3枚はプレイしたいフォロワーである。

勝ち方

デッキを5枚以下にして、『マナリアクイーン・アン』と『レグニスロード・グレア』から加わる『イクシードブラスト』と『フェイタルバーン』をどちらか2枚+3枚目or『愚者・リンクル』から加わる『剥落の暴圧』で相手リーダーの最大値を下げておきリーサルを狙う。

このデッキの勝ち方は至ってシンプルです。
豊富なドローカードとデッキ消滅効果を持つカードでデッキを減らして5枚以下になれば、『イクシードブラスト』8点『フェイタルバーン』最大9点のどちらか2枚を使用して16点~18点を削り、残りを3枚目の『イクシードブラスト』や『フェイタルバーン』もしくは、『愚者・リンクル』から『剥落の暴圧』で最大値を下げて削るというものです。
前提として20点を削り切るならということなので、少しでも相手の体力が減らせているならハードルはその分下がります。
リーサルターンは早いと7ターン目には迎えることができるので、コントロール色の強いデッキには戦いやすいです。
一つ注意したいのは、『イクシードブラスト』と『フェイタルバーン』は盤面次第でリーサルが取りづらくなってしまうということです。
『イクシードブラスト』であれば、フォロワーを対象に取れないと発動できないので、盤面が空の状態だとリーサルが取れません。
対象的に『フェイタルバーン』は相手盤面のフォロワーからダメージを振り分けて与えて、残りを相手リーダーにダメージ与えるので盤面を強く作られるとダメージが通りづらいです。

デッキの回し方

序盤は、『愚者・リンクル』からチョイスできる『剥落の暴圧』で最大値を下げておいたり、『グランドブレイク』や『魔力による複製』等のドローカードとデッキ消滅効果でデッキ枚数を減らしていこう。
『でたらめな接合』は2PPで5枚ドローできるので早めにデッキを減らすことができるカードです。盤面除去として運用するかデッキを回すかは対面を見て検討しましょう。
中盤は、『レグニスロード・グレア』や『マナリアクイーン・アン』でリーサルに向けて『フェイタルバーン』と『イクシードブラスト』を加えて準備をしつつ、進化することでさらにデッキ枚数を減らしていこう。
相手の盤面除去や自身の体力に不安がある場合は、『銀灰の星・アレイスター』に進化を使って盤面除去とドレインによる回復を狙おう。
終盤は、デッキ枚数5枚以下であれば『フェイタルバーン』や『イクシードブラスト』を使ってリーサルを目指そう。

進化OTKドラゴン

※津田三蔵選手のデッキリスト

キーカード

『虚無ノ哭風・グリームニル』
進化軸をテーマにしているデッキのフィニッシャー。
進化5回以上して盤面が空の状態だと、僅か4PPでリーダーの体力の半分10点を削ることができるので2回プレイできればゲームセット。
条件付きとはいえ凄まじいパワーカードである。
進化5回以上という厳しい条件には様々なアプローチがある中で、この構築では『オーバーヒートデーモン』や『ゴブリンスクラム』をエンハンスでプレイすることで容易に達成させることができる。

勝ち方

①条件を満たして『虚無ノ哭風・グリームニル』を2回プレイする。
②『深海の接近』でサーチした疾走の『神魚・ディズレスタン』とプラスαで打点を出して削り切る。

メインプランは①です。
『虚無ノ哭風・グリームニル』を2回プレイして20点削る。
『竜の誕生』、『堕落の決意』、『未来への飛翔』からチョイスできる『グランの覚悟』でドローをしていき、複数引かなくとも0コストになった『神魚・ディズレスタン』をプレイして盤面を一掃しつつ、進化効果を使えばバウンスできるので1枚引ければリーサルへと結びつきます。
②のプランはあくまでサブです。
というのも『深海の接近』から『神魚・ディズレスタン』は確定サーチになっていません。
勝ち筋が増えたことで絶対にサーチしなくてはいけないということもなくなり、その分防御面を厚くするための『ティアマト・マグナ』やPPブーストをするための『殺竜騎士・ロイ』を採用しています。
もちろん『神魚・ディズレスタン』がサーチできた場合は、そこに『殺竜騎士・ロイ』エンハンス疾走や『未来への飛翔』の解放奥義『十天衆を総べし者・グラン&ジータ』による疾走打点で20点削り切りましょう。

デッキの回し方

序盤は、『竜の託宣』や『ドラゴニックレイジ』から『ローウェンの咆哮』をチョイスしてPPブーストしていきます。
10PPに到達していると『神魚・ディズレスタン』のコストが下がっていくので、仮に手札になくとも対面にはプレッシャーを与えることができます。
中盤は、『殺竜騎士・ロイ』でさらにPPブースト狙ったり、『招来の大天使』に進化を切ってリーダーの体力最大値をあげて耐久していこう。
さらに後攻であれば『ラミエル』でPPブースト、覚醒状態であれば『竜の誕生』でドローの準備も忘れずに。
終盤は、『ゴブリンスクラム』や『オーバーヒートデーモン』で進化を重ねていき、条件を満たしたら『虚無ノ哭風・グリームニル』でリーサルを目指そう。

進化ヴァンパイア

※ぷうきち選手のデッキリスト

キーカード

進化をテーマとしているデッキで、1コストで加わる『紅の牙』は非常に強力。
効果で進化するので通常の進化と合わせて1ターンに2回の進化回数を稼ぐことができるため、このデッキが一つの指標としている「進化5回」の条件をスピーディーに達成させてくれます。
復活させるにはラストワードを発動させる必要があるので、自ら戦闘トレードに参加したり『衝動の人狼・リベルテ』の効果で破壊して積極的に盤面から退場させていきましょう。

勝ち方

①『虚無ノ哭風・グリームニル』や『神狼・シス』による2種類のバーストダメージフィニッシュ。
②『壊天災・ハレゼナ』で殴り切る。

①のパターンが王道の勝ち方になります。
リーサルターンは8ターン目~10ターン目を目安としていて、比較的遅い方ですが豊富な回復で時間を稼ぐことが可能です。
どちらのフィニッシュ手段も事前に進化回数を稼いでおかないといけないので、『永劫の吸血鬼・アルザード』や渇望状態になることで進化効果が発揮される『魔獣の女帝・ネレイア』と『クリムゾンウォー・ラウラ』等を使って進化していきます。
条件を達成さえすればあとはフィニッシュに持っていくのだけなのですが、強みとして2択を相手に迫れているのがポイントです。
『虚無ノ哭風・グリームニル』は盤面が少ないとダメージが出しやすく、『神狼・シス』は盤面が多いとダメージが出やすい特徴があります。
どちらをケアするべきかというのはシチュエーションによって異なる部分にはなりますが、割り切らないといけない場面を演出できるのは魅力的です。
②のパターンは完全に対面依存で、デッキの構成的にどうしても『壊天災・ハレゼナ』を処理しづらいデッキが一定数存在しています。
そういうデッキに対してはこのフォロワーを3ターン目に設置するだけで削り切れることも多いです。
一方で①のパターンとはシナジーがないので、不要な対面であればバリア効果を有効に使って盤面トレードに参戦させたり、『ショーダウンデーモン』で捨てることも視野に入れていきましょう。

デッキの回し方

序盤は、『永劫の吸血鬼・アルザード』をプレイするのがベスト。
渇望状態に入ることで効果が付与されていく『クリムゾンウォー・ラウラ』のために『ショーダウンデーモン』や『傷無き双翼・ピユラ』をプレイしておくことで準備を進めるのも悪くありません。
対面によっては『壊天災・ハレゼナ』をキープして早期決着を狙いましょう。
中盤は、『霹靂の悪魔』で盤面処理と回復、そして進化することで2ターン連続で渇望状態にしましょう。
こうすることで次のターンに『魔獣の女帝・ネレイア』の自動進化効果を発動させることが可能になり、進化回数が稼ぎやすくなります。
終盤は、『オーバーヒートデーモン』や育てた『クリムゾンウォー・ラウラ』で進化を重ねて、『虚無ノ哭風・グリームニル』や『神狼・シス』でフィニッシュを狙いましょう。

アミュレットビショップ

※藤村和晃選手のデッキリスト

キーカード

『栄華の加護神・ヤテラントゥ』
アミュレットが破壊された数に応じて効果を発動するので、アミュレットを破壊しながら戦っていくこのデッキとの相性は抜群。
『気高き教理』や『神愛の一撃』でカウントを進めていき、こまめにアミュレットを破壊することもできるが、『フリッグ』や『メルティングシュガー・セリーナ』で一気にアミュレットを破壊して盤面形成しながら『栄華の加護神・ヤテラントゥ』のバリューを引き上げることができる。

勝ち方

①アミュレットを4枚設置した状態で『メルティングシュガー・セリーナ』をプレイして盤面形成して押し切る。
②『森の参謀・ムニャール』や結晶『リボルバーイーグル』等の疾走フォロワーによるアグロプラン。

アミュレットビショップは手札の状況で①のプランを狙って、無理そうであれば②のプランへシフトしていく。
この柔軟なプランニングが選択できる理由として共通点が2つある。
1つ目は、アミュレットを破壊して戦うこと。2つ目は、最終着地点に『フリッグ』や『栄華の加護神・ヤテラントゥ』といったアミュレットを破壊しておくことで強力な効果を発揮するフィニッシャーがあるということ。
①のプランは1ターン目から結晶『星界の艇人・ノア』や『詠唱:一角獣の祭壇』で動き出し、続く2ターン目3ターン目と連続でアミュレットがプレイできてないと狙えないので無理そうであればこだわらずに②のプランに移行しよう。
『ブレッシングバード』から出る『詠唱:獣姫の呼び声』や結晶『リボルバーイーグル』を『気高き教理』等でカウントを進めて破壊していき、疾走による早期決着を狙う。
この展開でも決着がつかない場合は、『フリッグ』や『栄華の加護神・ヤテラントゥ』でフィニッシュを目指そう。

デッキの回し方

序盤は、『詠唱:一角獣の祭壇』、結晶『星界の艇人・ノア』や『エレガントバード』をプレイしていき、3ターン目には結晶『リボルバーイーグル』や『ブレッシングバード』で攻める準備を整えよう。
あまり手札の状況が良くなければ、『包み込む願い』や『セイントスローイング』で手札補充していこう。
中盤は、『メルティングシュガー・セリーナ』、『気高き教理』や『神愛の一撃』でアミュレットのカウントを進めてアミュレットを開き畳み掛けていこう。
終盤は、『フリッグ』でアミュレット破壊数を増やしながら盤面形成。
『パニッシュメントスナイパー』や『栄華の加護神・ヤテラントゥ』のバーンダメージでフィニッシュを目指しましょう。

アーティファクトネメシス

※きょうま選手のデッキリスト

キーカード

『ギガスファクトリー』
本体で使用することはほとんどありませんが、結晶の能力は無尽蔵の力をデッキに与えてくれます。
結晶で置いたあとのデッキの動きはリソースを維持しながらOTKを狙うことも相手の強固な盤面も簡単に処理できます。
その動きに欠かせないのは『パラダイムシフト』です。
『パラダイムシフト』を加えるカードは、新たに3種類追加されました。
特に『アームメカニック』や『アーティファクトシップ』は盤面にアーティファクトを出しながら『パラダイムシフト』を手札に加えてくれます。
これによって以前よりも安定して『パラダイムシフト』を供給しながらコストを下げれるようになりました。

勝ち方

①『ブリッツアーティファクト』と『反逆の命・ミリアム』や『始原の竜・バハムート』を使ったOTK。
②『プロテクトアーティファクト』や『エッジアーティファクト』を使って相手の猛攻を捌くコントロールプラン。

基本は①のプランを目指します。
『ブリッツアーティファクト』を使ってのOTKは2種類。
A『ブリッツアーティファクト』4体でリーダーを攻撃した後にアクセラレートで『始原の竜・バハムート』をプレイしてラストワード効果合わせて20点。
B『反逆の命・ミリアム』を本体でプレイした後に『ブリッツアーティファクト』を5体盤面に当てて自壊してラストワード効果含めて20点。
Aのが1枚辺りの『パラダイムシフト』の打点が5点なので4枚あれば決まりますが、守護がいると突破するのに他のカードか追加で必要です。
Bは1枚辺りの『パラダイムシフト』の打点が4点なので5枚必要になりますが、当たり先のフォロワーさえいれば守護関係なく決めることができます。
相手リーダーの体力を見て、何枚『パラダイムシフト』が必要になるのかを見極めて戦っていきましょう。

デッキの回し方

序盤は、『機構の技師』、『ロボティクスユーザー』、アクセラレート『アーティファクトシップ』でリーサルに向けて『パラダイムシフト』を集めていきましょう。
『アーティファクトの同調』のチョイス先は『パラダイムシフト』を集めるカードの枚数と2ターン先くらいの動きの見通しを天秤に考えて『アナライズアーティファクト』か『パラダイムシフト』を加えておきましょう。
中盤は、アミュレットを破壊するカードが少なく盤面も問題なければ結晶で『ギガスファクトリー』をプレイ。
相手の盤面が強いときや『パラダイムシフト』の枚数が足りなかったりコストを下げたいときは『アームメカニック』をプレイして盤面処理しながら準備していきましょう。
終盤は、コストを下げた『パラダイムシフト』を複数プレイして『ブリッツアーティファクト』を場に出し、『反逆の命・ミリアム』やアクセラレート『始原の竜・バハムート』で
OTKしましょう。

最後に

5月16日㈰に行われるプレーオフでは、《進化ヴァンパイア》の立ち位置やプレーオフ進出選手がどんなデッキ構成なのかというところにも注目しながら、今年2回目となるファイナリストの誕生を見届けましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また配信でお会いしましょう。

【文:海老原悠】

オンライン予選大会 プレーオフ

      • 日時:5月16日(日) 15時〜
      • 配信プラットフォーム:OPENREC・YouTube
    大会詳細

    https://rage-esports.jp/shadowverse/2021summer

    OPENREC.tv

    YouTube

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